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  • 2007.09.25 Tuesday
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土に触れる喜び,モノを作る喜び

昨年秋に発売されたときに,売れるのかなあと,少し冷ややかな目で見てしまった商品があります。しかし蓋を開けてみれば,年間目標販売台数5万個に対し,発売3カ月で3万個と,売れ行きは実に好調。私の読みが甘かったその商品とは,タカラトミーの「ろくろ倶楽部」です。
ろくろ倶楽部は,幅230×高さ150×奥行き230mmの電動ろくろに,1kgの専用土,専用釉薬,そして作陶には欠かせない「弓」「へら」「しっぴき」といった道具などが一式付いて,価格は1万500円(税込み)。専用土の中には特殊な樹脂を配合し,焼成などに家庭用のオーブンレンジが利用できるように工夫してあります。1万円を超えますから決して安い買い物とはいえませんが,これがあれば,自宅で成形から焼成まで一連の陶芸体験が味わえるというわけです。
作り方は,例えばWeb上の「ろくろ倶楽部」の「ろくろでの使い方」などを参考にします。湯飲み茶碗やおちょこなど目的の形状に成形したら,乾燥。半渇きの状態で高台などを削り出し,再び乾燥。自然乾燥なら3〜5日,オーブンレンジなら120℃で20〜30分間置き,完全に乾燥したらいよいよ焼成です。オーブンレンジを130℃に設定し,30〜40分間入れておけばOK。その後,1〜2時間冷まして出来上がり。このように,ろくろ倶楽部が提供する陶芸体験は実に簡単です。
実は私,かつて陶芸教室に通っていたことがあります。最初の1年は,電動ろくろを使わずに作る「手びねり」という基礎的な手法を学び,2年目にようやくろくろデビュー。テレビの旅番組ではよく,芸能人が窯元などを訪ねては初めて陶芸を体験し,ろくろを上手に操り成形する映像が流れますが,普通はあんなに簡単にはいきません。そもそも,土をろくろの回転台に置いてから,天井に向かって円柱状に伸ばすだけで大変。土は,思うようには上がってくれません。さらに,土が円柱状に伸びても,円柱の中心と回転の中心を一致させるのがまた一苦労。両者が合っていないと当然,作品の厚さは均一になりません。ろくろ成形に辿り着くまでの前工程でこのあり様ですから,思い通りの形にひいたり薄く均一にひいたりすることがどれほど難しいか,想像に難くないことでしょう。このように,私が知る陶芸体験は実に大変でした。
タカラトミーによりますと,ろくろ倶楽部は「例えば,ろくろのスピードの調整機能などはなく,オンとオフのみ。もちろん,プロの方がお使いになればそれなりの作品はできますが,本格的なものではありません。あくまで陶芸の疑似体験を目的としたものです」。つまり,ろくろ倶楽部のターゲットは,教室に通うなど陶芸を本格的に始める前の「予備軍」だったのです。そのため発売当初,私にはこの商品が今一つピンとこなかったわけですが,現実にはこの層はものすごく多いようです。同社が16〜69歳の男性1000人,女性1500人を対象に実施したWeb調査では,女性の77%,男性の63%が「とてもやってみたい」「機会があればやってみたい」と,陶芸に高い関心を示しました。その一方で,「場所がない」「道具がない」「道具を揃えようにも買うと高い」「教室に通う時間がない」ことなどを理由にあきらめざるを得なかった人も。ろくろ倶楽部は,こうした人たちの琴線に触れ,予想を上回るペースで売り上げを伸ばしたのです。
ちなみに,私は陶芸教室に3年くらい通ってやめました。その理由は,下手くそで満足いく作品がなかなかできないという悲しい現実もありましたが,やはり時間が最大のネックでした。毎週土曜日午前,月3回のコースだったのですが,原稿の〆切が近づきますと,土曜日も執筆にあてなければなりません。そのため月に必ず1回は休んでしまいますし,野暮用で行けないこともしばしばありまして,結局やめる羽目に。それでも時間に余裕があれば,また陶芸をやりたいという気持ちは今なおあります。陶芸の魅力を語り出せばキリがないのですが,その底流には,土に触れ,自分の手でモノをつくることで得られる発見や喜び,達成感などがあると感じています(もちろん,自己満足にすぎませんが…)。
先週末,近所の酒屋で,ちょっと奮発して静岡県は由比町の神沢川酒造場の「正雪 純米大吟醸 天満月」を手に入れました。そこで久しぶりに,連れ合いが作った酒器を使うことに。備前の土で成形し藁を巻いて焼成したもので,その藁が溶けてできた襷状の筋が火色に赤く発しています。そこに冷蔵庫で冷やしておいた天満月をついでぐいとやれば,今宵飲む酒こそまた格別なれ。


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